日本地球化学会年会要旨集
2009年度日本地球化学会第56回年会講演要旨集
セッションID: 1B06 12-06
会議情報
古気候・古環境解析の地球化学
温帯に生息するハマサンゴとキクメイシの骨格成長パターンに関する地球化学的考察
*河村 卓渡邊 剛岨 康輝坂本 竜彦入野 智久島村 道代Hyeong Kiseong杉原 薫山野 博哉
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

造礁性サンゴ骨格を用いた古環境復元においては、これまで塊状の群体を形成するハマサンゴ属が主に用いられてきた。キクメイシ属の塊状群体は、ハマサンゴ属のそれよりもさらに高緯度の地域でみられることから、ハマサンゴ属よりも低水温に適応していると考えられている。したがってキクメイシ属の骨格は、従来造礁性サンゴ骨格があまりターゲットにしてこなかった温帯地域での古環境指標として広く利用できる可能性を秘めている。鹿児島県甑島は温帯性の気候帯に属し、ハマサンゴ属とキクメイシ属がどちらも生息している。本研究では、甑島産のハマサンゴとキクメイシの軟X線画像による密度バンドと骨格中の酸素安定同位体比を用いて、両種のサンゴの温帯地域における骨格成長の季節性と、古水温指標としての可能性を比較・検討した。

著者関連情報
© 2009 日本地球化学会
前の記事 次の記事
feedback
Top