顕生代における気候変動に共通した現象として、気候の温暖化、海洋酸性化・貧酸素化が注目されている(Tr-J境界、OAE1a、OAE2)。本研究では新しい大気‐海洋物質循環モデルを開発し、その応用として大気へのCO2流入に伴う気候変遷について調査した研究結果を報告する。とくに海洋の酸性化、貧酸素化について、その発生から終焉に至るシナリオを炭素やリン、窒素などの物質循環にのっとって議論し、また地質記録として得られる炭素同位体比変動記録などとの比較により、どれだけの規模のCO2流入現象が要求されるかなどの点についても検討する予定である。