日本鉱物科学会年会講演要旨集
日本地質学会第118年学術大会・日本鉱物科学会2011年年会合同学術大会
セッションID: R2-P14
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R2:結晶構造・結晶化学・物性・結晶成長・応用鉱物
雪の砲弾集合の形成に関する理論と実験
*牲川 菜月北村 雅夫下林 典正三宅 亮高谷 真樹兒玉 優
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抄録

オストワルド段階則に従う結晶形成過程に関する一般的理論を構築したうえで、天然に見られる雪の砲弾集合の作製実験を行った。一般的な理論的考察の結果、高い過飽和度の下では準安定相が核形成し、結晶成長に伴って過飽和度が減少すると、準安定相の上に安定相が核形成・成長しうることが連続的に説明できた。得られた条件をもとに、西堀榮三郎記念探検の殿堂(滋賀県東近江市)の低温室内で雪の砲弾集合結晶の作製に取り組んだ。質量分析計の試料導入に使われるネブライザーとスプレーチャンバーを用いて微小な水滴をつくり、凍結させた。これを空中で成長させた後回収し、顕微鏡観察を行った。その結果、特定の条件下で天然の砲弾集合結晶の再現に初めて成功した。

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© 2011 日本鉱物科学会
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