Progress of Digestive Endoscopy
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症例
胃横軸捻転を伴い食道裂孔内に陥入した進行胃癌の1例
堀場 光二山下 精彦田中 宣威京野 昭二横井 公良樋口 勝美石川 紀行瀬谷 知子松本 智司瀧田 雅仁高橋 由至小泉 岐博李 栄浩勝田 美和子清水 哲也
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キーワード: 食道裂孔ヘルニア, 胃癌
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2001 年 59 巻 2 号 p. 48-51

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抄録

 食道裂孔ヘルニアは比較的頻度の高い疾患であるが,胃軸捻転を伴い,脱出部位に胃癌を伴った症例となると極めて稀である。われわれは今回,リウマチ性多発筋痛症治療中に発見された,胃幽門側が横軸捻転し横隔膜上に脱出した食道裂孔ヘルニアと脱出部位に進行胃癌を伴った1症例を経験したので,文献的考察を加えて報告する。症例は,74歳女性,平成12年9月下旬頃より37℃台の発熱あり,肩関節痛,股関節痛を自覚。精査目的で平成12年10月18日紹介入院となり,リウマチ性多発筋痛症の診断にてプレドニン10mgの内服を開始し,症状軽快。貧血,便潜血認められたため,消化管精査を施行。上部消化管透視,内視鏡検査にて食道裂孔ヘルニアに併発した進行胃癌が発見され,平成12年12月25日,幽門側胃切除術,食道裂孔ヘルニア根治術を施行した。術後8カ月の現在,再発の兆候なく外来経過観察中である。

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© 2001 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
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