2014 年 14 巻 2 号 p. 2_104-2_123
都市圏での広域の高精度の強震動予測には、地質情報・ボーリング情報をもとに構築された地盤構造モデルの、地盤震動観測データによる検証が必要であるという考えのもと、比較的地盤情報が少ないとされる大阪平野南部を対象として常時微動観測を行った。そして、微動観測記録と既往の研究に基づき仮定した地盤構造モデルの理論計算から得られる微動の水平上下スペクトル比を比較することで修正地盤構造を推定した。その結果、微動アレイ観測やレイリー波の楕円率を用いた既往の研究と比較した場合でも、拡散場理論による微動の水平上下スペクトル比の新しい解釈に基づいて、ピーク振動数と振幅に着目して地盤構造を推定する本研究での提案方法が有効であることを確認できた。