都市計画論文集
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アメリカの人口減少都市における非営利組織CDCの地域改善活動とその役割
ミシガン州フリント市Salem Housingを事例として
清水 陽子中山 徹
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キーワード: 人口減少, NPO, CDCs, アメリカ
ジャーナル オープンアクセス

2014 年 49 巻 3 号 p. 777-782

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抄録

本研究は、人口減少都市において地域改善の支援組織として活動する非営利組織、特にCommunity Development Corporationsという組織に着目した。その事例としてSalem Housingの活動実態を把握し、活動内容の変化、役割を明らかにすることを目的とした。(1)アメリカでは人口が減少している都市はまだ少なく、Salem Housingは人口減少都市で活動する数少ないCDCである。(2)その背景にはフリント市の人口減少がある。人口減少により、CDCの主な事業であった住宅の供給のニーズは低くなっており、替わって地域の質の向上への支援が求められている。(3)Salem Housingでは人材と財源の確保が大きな課題となっている。財源は企業や連邦政府などの補助金などを活用しているが、安定した財源が少ない。また、市の人口が減少している状態はCDCへの協力者も減少させている。人口減少は地域を支えるCDCにも影響を及ぼしている。

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© 2014 公益社団法人 日本都市計画学会
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