2008 年 25 巻 p. 100-105
本稿では,企業に所属する社員を対象とした新たな危機管理教育のための支援システムが具備すべき条件,ならびにシステムが実行する手続きに関して検討した。リスクを体系的に分類し,その発生原因について分析した。分析に基づいて,支援システムが具備すべき条件をあげ,それに基づいたシステムデザインの検討を行った。教育手法については,専門家と素人のリスク認知の乖離から,素人が行うリスク認知プロセスについて議論し,提案手法が認知プロセスに則したものであることを述べた。また,従来の社員教育の問題点を指摘し,双方向教育の必要性と効果について述べた。提案する支援システムを使用することによって危機管理教育を効果的に行うことができる。