日本環境感染学会誌
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原著論文
複合型塩素系除菌・洗浄用製剤の安定性と色調の変化
木津 純子高木 奏黒田 裕子前澤 佳代子松元 一明堀 誠治
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2014 年 29 巻 6 号 p. 411-416

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抄録

  複合型塩素系除菌・洗浄用製剤は1錠を500 mLの水道水で溶解して調製する製剤(有効塩素濃度0.1%;本製剤)で,調製液は淡赤色を呈する.調製液の安定性と色調の変化について検討した.
  調製液をガラス製気密容器に入れ,1)室内散乱光下(23–30°C),2)直射日光下(24–34°C),3)室温遮光下,4)高温(40°C)遮光下,5)冷所(4°C)遮光下で保存し,調製直後,3, 7, 14日後の有効塩素濃度(ヨウ素滴定法で測定),pH, 520 nmにおける吸光度を測定した.対照として0.1%次亜塩素酸ナトリウム溶液の有効塩素濃度,pHを測定した.
  有効塩素濃度は,7・14日後には1)71%・58%, 2)68%・53%, 3)70%・59%, 4)44%・17%, 5)93%・89%に低下し,温度が安定性に影響することが確認された.pHおよび吸光度も,有効塩素濃度と同様の低下を示した.また,調製液の色調は有効塩素濃度を反映することが確認された.0.1%次亜塩素酸ナトリウム溶液の有効塩素濃度は,1)95%・91%, 2)54%・32%に低下したが,3)・4)・5)は変化せず,直射日光が安定性に影響していた.pHはほぼ一定であった.
  以上より,本製剤は室温保存で徐々に有効塩素濃度が低下し,1週間が有効期間である.ただし高温を避けて保存する必要がある.また,有効塩素濃度の低下が色調に良好に反映され,色調の観察により残存濃度を確認できることが示された.

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© 2014 一般社団法人 日本環境感染学会
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