脳と発達
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シンポジウム10:難治性てんかんの病態を探る:分子遺伝学,病理,免疫,代謝異常,画像,電気生理
難治小児てんかんの電気生理
—特に異常高周波活動と病態との関係について—
小林 勝弘東田 好広
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2014 年 46 巻 3 号 p. 202-206

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抄録

 小児期のてんかん性脳症において検出されるγ・高周波帯域異常活動は病態に関与する可能性が強い. 高周波振動はてんかん原性と深い関係があることは既に知られているが, 頭皮上脳波でこれを分析するためには, 緻密なフィルター設定と時間・周波数分析によるノイズとの識別が必要である. また頭皮上で検出される高周波は, 脳内で発生する高周波の中の特別な一部であると推測されるため, その意義の探求が必要である. 徐波睡眠時の持続性棘徐波における高周波振動は, diazepam静注により棘波そのものよりも強く抑制されることから, GABA作動性抑制系が頭皮で検出される高周波の発生に関与する可能性が示唆された.

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© 2014 一般社団法人日本小児神経学会
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