2014 年 56 巻 12 号 p. 3980-3987
症例は82歳男性.高度な腎機能障害を認めていた.径18×13mmの総胆管結石に対する治療目的でERCPを施行した.Endoscopic sphincterotomyを施行し,10-12mmの胆道拡張用バルーンカテーテルを用いてEndoscopic papillary large balloon dilationを施行したところ,胆道から噴出性の出血を認めた.圧迫止血による止血は困難であったがpartial covered Self-expandable metallic stent(SEMS)留置により止血が得られ,手術や血管内治療を回避できた.SEMSは21日後に偶発症なく抜去した.