国際保健医療
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Vanuatu共和国の都市部・地方部の小学校高学年における日常生活習慣の実態調査
中世古 恵美松田 宣子小寺 さやか
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2014 年 29 巻 4 号 p. 299-311

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抄録

目的
  ヴァヌアツ共和国の都市部と地方部の小学校高学年における日常生活習慣の実態を明らかにする。
方法
  ヴァヌアツ共和国の都市部1校と地方部3校の小学6、7、8年生全数415名(都市部194名、地方部221名)を対象に、日常生活習慣行動とその関連要因について無記名自記式調査を実施した。主な調査項目は、1.食品摂取頻度、2.運動頻度、3.喫煙・飲酒経験、4.食品に対する認識、5.非感染性疾患に関する知識、6.健康行動に対する態度、7.保護者の健康に関する助言頻度、8.家族の就労、9.家財道具の保有数である。都市部と地方部との比較分析をカテゴリー変数にはχ2検定、得点項目はマンホイットニーのU検定を用いて行った。解析には統計解析ソフトSPSS for Windows.ver18.0を用い、有意水準はP<0.05とした。
結果
  質問紙の回収率と有効回答率は100%で、研究対象者415名全員を分析対象とした。都市部と地方部との比較分析の結果、食品摂取頻度は、米、パン、鮮肉、清涼飲料水、市販の甘い菓子、スナック菓子は都市部において高く、イモ類、鮮魚、果物は地方部において高かった。飲酒経験者の割合は、都市部が有意に高かった。一方、非感染性疾患に関する知識を有する者、お酒を飲みすぎない、タバコを吸わない等の健康行動に対し「重要である」という態度を有する者、家族が就労している者の割合、保護者の健康に関する助言頻度、家財道具の保有数は都市部が有意に高かった。
結論
  都市部と地方部との比較分析の結果、食品摂取頻度、飲酒経験率、健康行動を取ることに対する態度、食品に対する認識、保護者の健康に関する助言頻度、家族の就労、家財道具の保有数において有意差が認められた。

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© 2014 日本国際保健医療学会
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