2015 年 1 巻 2 号 p. A_165-A_171
中山間地域では、民間バスの不採算路線の廃止・減便などの問題が顕在化しつつあり、各自治体により公共交通再編に向けた取り組みが行われているものの、充分なバスサービスを提供することは困難な状況にある。自動車を利用すれば往復1時間程度で通院・買物ができるにも関わらず、バスを利用する1日がかりになる地域も存在する。そこで本研究では、バス利用者・非利用者別に、アクセシビリティや個人属性、バスサービス評価等、どのような要因から将来の移動手段に対する不安を感じているのかを把握した。その結果、バス利用者・非利用者ともに、将来の移動手段の不安にはアクセシビリティの違いが大きく影響を及ぼしており、将来住民が安心してバスを利用するためにも、将来の移動手段に対する不安を減少させていくことが重要であることが示された。