セメント・コンクリート論文集
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セメント硬化体・モルタルの物性
温度・湿度の変化がC-S-Hの組成および密度に及ぼす影響
須田 裕哉佐伯 竜彦斎藤 豪
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2013 年 67 巻 1 号 p. 157-164

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抄録

本研究では、セメント硬化体中で主要な水和物であるC-S-Hの組成と密度に対して、環境条件である温度や湿度が及ぼす影響について検討を行った。検討を行う際には、C/S比の異なる2種類のC-S-Hを作製し、温度・湿度変化に伴うC-S-Hの水蒸気吸着量と密度の測定を行った。その結果、各湿度における水蒸気吸着量は、C/S比の低い試料ほど多く、同一のC/S比のC-S-Hにおいては、前処理条件の違いによらず高湿度においてH/S比が一致した。また、C-S-Hの密度は、低C/S比のC-S-Hほど各湿度における密度は低い値を示した。さらに、C-S-Hの密度をH/S比を用いて整理した結果、H/S比が3程度のときC-S-Hの密度が最大となり、これらは含水状態の違いによるC-S-Hの構造変化が要因として示唆された。

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© 一般社団法人セメント協会
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