2014 年 67 巻 1 号 p. 370-377
本研究では、環境条件がコンクリート構造物の中性化の進行に及ぼす影響を評価するため、薄板状の小型モルタル供試体を2つの橋梁および浄水場施設の4構造物に貼り付けて暴露し、実構造物の異なる部位における環境条件の影響を評価した。また、モルタルの配合および暴露時期が中性化環境評価に及ぼす影響について検討した。その結果、雨掛かりの無い環境条件下では、薄板供試体によって中性化環境評価が可能であることが確認できた。また、短期間の暴露試験によって長期供用された構造物中性化深さを評価するには、中性化しやすい配合で供試体が乾燥しやすい時期の暴露が適していることが確認できた。