日本外科系連合学会誌
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症例報告
腹腔鏡下に切除した腹腔内デスモイド腫瘍の1例
八木 朝彦稲田 涼永坂 岳司渡邉 彩子松本 聖戸嶋 俊明母里 淑子近藤 喜太岸本 浩行藤原 俊義
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2015 年 40 巻 1 号 p. 111-115

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抄録

症例は60代女性.2009年右腎細胞癌に対して右腎部分切除術を施行.2012年フォローアップのCT検査にて上行結腸近傍に結節性病変を指摘され,精査加療目的で当科紹介となった.PET-CT検査では,同部位に異常集積を認め,下部消化管内視鏡検査では,上行結腸になだらかな隆起を伴う粘膜下腫瘍様病変を認めた.術前診断としてGIST,腸間膜腫瘍,腸間膜脂肪織炎,腎細胞癌再発などを疑い,診断的治療目的で腹腔鏡下上行結腸切除術を施行.術後病理診断にて腫瘍内に繊維芽細胞と膠原繊維の増殖を認め,免疫染色にてc-kit,Desmin,CD34,S-100陰性となり,デスモイド腫瘍と診断.切除断端は陰性であった.術後大きな合併症なく第9病日で退院.現在切除後13カ月経過したが再発はなく生存中である.今回われわれは頻度の低い腹腔内デスモイド腫瘍に対して腹腔鏡下に治癒切除を施行した症例を経験したので報告する.

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© 2015 日本外科系連合学会
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