1996 年 48 巻 p. 111-114
症例は73歳男性。主訴は食欲不振と体重減少。消化管X線検査,内視鏡検査で胃から大腸の消化管に多数のポリープ様隆起性病変を認めた。また,表在リンパ節とCT検査で縦隔内,腹腔内,骨盤内のリンパ節腫脹を認めた。腋窩のリンパ節生検ではmalignant lymphoma,diffuse,small cleaved,B cell typeであった。胃,十二指腸,大腸より採取された組織からも同様の結果が得られた。以上の結果よりmultiple lymphomatous polyposisと診断した。化学療法(THP-COP)施行後,表在リンパ節はほぼ消失し,消化管病変では上行結腸からS状結腸ではpolyposisの完全な消失を認めたが,胃,十二指腸,直腸では著明な変化は認められなかった。