2014 年 24 巻 3 号 p. 323-328
当科にて2007年から2013年までの7年間に,原発性副甲状腺機能亢進症と診断され,手術を施行した20例について検討した。内訳は男性6例,女性14例で,年齢は41~84歳(平均年齢60.6歳),病理診断は,腺腫18例,副甲状腺癌1例,不明1例であった。ほぼ全例に超音波,CT,99mTcMIBI(methoxyisobutylisonitrile)シンチグラフィを行い,局在診断に有用であった。19例に血清Ca値の正常化を認め,1例は正常化しなかった。この症例では甲状腺結節を合併していたため,局在診断が困難であった。局在診断技術が向上しても1腺摘出だけでは対応できない場合もあり,両側検索の対応も常に念頭におく必要があると思われた。