本研究は、蒸気養生を模擬し温度履歴を与えたフライアッシュセメント硬化体の相組成と圧縮強度の関係を明らかにするため検討を行った。また、蒸気養生後の養生(以下、後養生という)の違いにも着目し、温度履歴後の水中または気中養生の違いがセメント硬化体の強度発現に及ぼす影響を把握することを目的とした。その結果、温度履歴を与えた後に水中養生を行うことでフライアッシュの反応は進行した。また、セメント硬化体の圧縮強度を相組成に基づきゲル空隙比によって整理した結果、両者は高い相関を示した。さらに、両者の関係から気中養生の硬化体の相組成に基づいて、気中養生のフライアッシュセメント硬化体の強度発現性状を評価した。