2014 年 68 巻 1 号 p. 352-359
本研究は、高炉スラグ微粉末とシリカフュームを併用した場合の塩分浸透抵抗性の向上メカニズムの解明とシリカフュームの品質がコンクリートの塩分浸透抵抗性に及ぼす影響を明らかにすることを目的として、JIS A 6207の規格を満足しない7種類のシリカフュームを用いて検討を行った。その結果、セメント─高炉スラグ微粉末─シリカフュームの3成分系結合材において塩化物イオン実効拡散係数が顕著に低下するのは、C-S-HのC/S比の低下による空隙構造の複雑化によって説明できること、また、シリカフュームの拡散係数低減効果はC/Sを低下する能力によって評価できることを明らかにした。