日本心臓血管外科学会雑誌
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症例報告
三尖弁置換術にて救命し得た急性右心不全の1例
古賀 智典小宮 達彦恒吉 裕史島本 健
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2015 年 44 巻 2 号 p. 74-78

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抄録
症例は75歳の女性.呼吸困難感を主訴に当院救急外来を受診し,急性心不全の診断で同日緊急入院となった.血圧が低く呼吸不全も来たしていたため,集中治療室での全身管理を開始した.経胸壁心エコーでは重度の三尖弁閉鎖不全症を認めており,三尖弁閉鎖不全症による急性右心不全が原因で心原性ショックを来たしていると考えられたため,緊急手術を施行した.術中所見からは三尖弁輪の著明な拡大と腱索の短縮を認め,弁尖は右室側に引っ張り込まれていた.当初は三尖弁輪縫縮術を試みたが三尖弁逆流が改善しなかったため,三尖弁置換術を行い逆流の制御を得た.術前に肝不全,腎不全を合併していたため術後はCHDFなど施行して全身管理を行った.術後10日で一般病棟へ退室し,術後36日で転院となった.
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