日本腹部救急医学会雑誌
Online ISSN : 1882-4781
Print ISSN : 1340-2242
ISSN-L : 1340-2242
原著
造影効果の客観的評価による絞扼性イレウスの診断
青木 悠人山田 岳史菅 隼人松本 智司小泉 岐博進士 誠一松田 明久原 絵津子内田 英二
著者情報
ジャーナル フリー

2015 年 35 巻 3 号 p. 201-206

詳細
抄録

【目的】絞扼性イレウスを早期に診断するためには壊死をきたしていない腸管の軽度の血流低下を診断する必要がある。われわれは造影CTを用い,小腸壁CT値(以下,iCT)を上腸間膜静脈CT値(以下,vCT)で補正する方法を考案し,その有用性を検討した。【方法】対象は当科イレウス手術症例のうち治療前に造影CTを施行された絞扼性イレウス(絞扼群)20例と単純性イレウス(単純群)24例。小腸壁の造影効果を客観的に評価するためにiCTとvCT値から小腸壁・SMV造影効果比を算出し,両群間で比較した。【結果】小腸壁・SMV造影効果比は単純群と比較し絞扼群において有意に低値であり,絞扼性イレウスの診断感度0.95,特異度0.83であった。【結論】小腸壁・SMV造影効果比は腸管の血流低下を客観的に評価することを可能とする。

著者関連情報
© 2014, Japanese Society for Abdominal Emargency Medicine
前の記事 次の記事
feedback
Top