日本血管外科学会雑誌
Online ISSN : 1881-767X
Print ISSN : 0918-6778
総説
バイオエンジニアと血管外科医のコラボレーションの進め方
梅津 光生
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ジャーナル オープンアクセス

2015 年 24 巻 4 号 p. 747-753

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抄録

要旨:本稿では,筆者が手掛けた3 種類の血液循環系のシミュレータ装置を用いて血管外科領域の医工連携の研究に関して紹介する.まず,大血管を人工血管で置換する際のシミュレータの大動脈血管インピーダンス特性を求めた結果,人工血管置換後は心負荷が増大することを示す.次に,脳外科で使用されている手術ナビゲーションシステムを血管外科に応用し,Adamkiewicz 動脈につながる肋間動脈の位置特定に用いその臨床使用を行い,その有効性を説明する.さらに,CFD(数値流体力学)技術とPC-MRI の臨床データを用いて,大動脈弓部のTEVAR 手術時に使用される3 分岐人工血管の血流配分が適切に確保されるかを数値計算により予測する手法の確立に関して説明する.最後に,基礎研究と臨床応用の間のギャップを埋めるために,医療レギュラトリーサイエンスの“目利き人材”の育成が重要であり,そのために創設した2 大学について概説する.

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