2015 年 86 巻 3 号 p. 319-324
ICR系妊娠マウス15匹を対照区およびガラクトオリゴ糖区に割り当てて,ガラクトオリゴ糖区では交配後6.5日目から分娩14日後までガラクトオリゴ糖を2.825%添加した飼料を給与し,泌乳マウスの小腸と乳腺における免疫グロブリンA(IgA)産生に及ぼすガラクトオリゴ糖の影響を調べた.ガラクトオリゴ糖給与で泌乳マウスの乳腺におけるIgA産生細胞数およびIgA含量が増加したが,空腸と回腸におけるIgA産生細胞数およびIgA含量には処理による影響は認められなかった.泌乳マウスの血清および糞並びに仔マウスの血清,胃内容物および糞のIgA含量には処理による影響は認められなかった.ガラクトオリゴ糖給与で泌乳マウスの乳腺におけるCCL28のmRNA発現量が増加した.以上の結果から,ガラクトオリゴ糖給与は泌乳マウスの乳腺におけるIgA産生の改善に効果的なことが認められた.