2015 年 71 巻 4 号 p. I_622-I_629
東北地方太平洋沖地震において,円筒型タンクの破損被害が報告されている.このようなタンクの被害は,やや長周期地震動により励起されたスロッシング現象(液面揺動の励起)が原因の一つとされている.そこで本論文では,円筒形タンクの耐震性向上を目的として,まず小型円筒型タンクに浮体式の制振装置を付加することで,スロッシングへの制振効果を確認する.制振装置としては4種類の形状を考案し,形状と水の中への挿し込み長をパラメータとして比較を行い,最も波高低減効果の高い制振装置を見出すことでより効果的な制振装置の形状を選出する.