2015 年 52 巻 5 号 p. 233-238
2004年10月23日に発生した新潟中越地震により,芋川中流部の東竹沢と寺野地区において地すべりが発生し,天然ダムが形成された。この二つの天然ダムに対して,決壊による二次災害を未然に防止するために,直ちに緊急対策が取られ,順次応急対策及び恒久対策が進められた。天然ダム堤体の内部構造を調査し,より信頼性の高い天然ダム安定性評価手法を開発するため,東竹沢天然ダムに対して,高精度表面波探査および微動アレイ調査を併用し,ダム堤体のS波速度構造を調べた.また,得られたダム堤体のS波速度構造から,地すべりの運動・堆積過程についても考察した。