2015 年 64 巻 10 号 p. 613-619
2012年に桑の葉茶から100Bq kg-1を超過する放射性セシウムが検出された。これを受け,本研究では二本松市内の桑園でクワにおける137Csの濃度分布を調査した。その結果,食用となる先端から30cmまでの上位葉において下位葉より137Cs濃度が高いこと,樹幹の表面に放射性核種が偏在していることなどが明らかとなった。また,樹幹へのカリ液肥の散布は,食用とされている上位葉(0~30cm)の137Cs濃度を有意に低下させたが,実用技術とするには不十分と判断された。