都市計画論文集
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生活道路における交通安全と防犯の「安心・不安」に対する意識構造分析
-街路空間の構成要素と個人の地域社会とのつながりに着目して-
岡村 篤橋本 成仁
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2015 年 50 巻 3 号 p. 703-708

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抄録

我が国では安全・安心なまちづくりによる取り組みが全国のいたるところで行われている.このような取り組みによって交通事故や犯罪発生の件数は減少傾向にあるが,しかし生活空間として重要な役割を担う生活道路については,対人事故件数が依然として高い状況にあるなどの課題も存在する.また地域の安全・安心を進める上で留意すべき点に,交通事故件数や犯罪発生件数の増減に基づく安全と人々の主観による安心・不安は必ずしも一致しないことがある.そのため安心なまちづくりを進めるためには客観的なデータだけに留まらず,個人の主観的意見に基づく安心・不安の意識を定量的に把握することが重要であると考えられる.そこで本研究では,生活道路を対象にして,交通安全と防犯の観点から,街路の空間構成に関してどのようなことに人々が安心・不安を感じているのかを定量的に把握し,併せて個人の地域社会とのつながりについても定量的に把握した.さらにそれらが地域内の生活道路に対する安心・不安評価に対してどのように影響するのかを明らかにした.

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© 2015 公益社団法人 日本都市計画学会
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