新潟県では毎年夏季において突堤近くの海水浴場での水難事故が発生している.そこで本研究では,突堤近くにカスプ地形を有する砂浜海岸を対象に,カスプ地形および突堤の2つの地形の要因の影響を受ける海浜流の流況を把握し,水難事故防止の技術向上に資する事を目的とした.本研究では,現地で海面着色剤で離岸流を可視化しUAVを用いて上空から撮影すると同時に流速計で流速を計測し離岸流の流速や大きさなどを把握した後に,地形や海象条件にあわせた数値実験で調査時の離岸流を再現するとともに,突堤やカスプの有無の条件で離岸流を含めた海浜流の数値実験をおこない,現場付近の離岸流発生機構を考察した.これにより,数値実験との組み合わせで様々な条件下での離岸流場を可視化することが可能であり,今後の水難事故防止対策のための技術向上に資せる可能性を示した.