海洋レーダの観測受信波を数値モデルで計算した津波流速を使い変調することによって津波発生時におけるレーダ受信波をシミュレートした.この受信波の周波数解析から視線方向流速を計算し,さらにハイパスフィルターとARモデルにより津波流速の視線方向成分を抽出した.そして,レーダビーム上に位置する観測点間の視線方向流速の相互相関係数が津波第1波の通過に伴って有意に上昇した場合にそれらの観測点で津波を検知したと判断した.内閣府断層パラメータケース3地震が2014年4月5日0:00に発生したと仮定し検討を行った結果,観測点間の距離(相関算出距離)が1.5 km,3.0 km,6.0 km,12.0 kmの場合,検知距離はそれぞれ42.0 km,52.5 km,54.0 km,57.0 kmとなり相関係数の算出距離依存性が認められた.