2015 年 71 巻 2 号 p. I_163-I_168
2011年に生じた東北津波によって東北沿岸に甚大な被害が生じた.津波の氾濫流と建物等の構造物は相互に影響すると考えられる.本研究では,宮城県気仙沼市を対象に,従来の手法による建物の形状を考慮したシミュレーションを実施し実績被害と比較検討した.また,それらの結果から,建物の倒壊・流失の基準となる波力を推定して,建物の倒壊を考慮した津波シミュレーションを実施した.その結果,津波浸水被害の正確な予測には建物の倒壊を考慮した津波シミュレーションが必要であることを明らかにした.