大阪南港野鳥園北池の干潟干出面と海水面でCO2フラックスの24時間調査を季節ごとに実施した.干出面の見かけのフラックスは,-16.4~5.8 mg/m2/min(正:放出,負:吸収)で変動していたが,冬季は吸収も放出もほとんどなかった.一方,海水面の見かけのフラックスは,-2.5~2.0 mg/m2/minで,変動傾向は季節によって大きな違いは見られなかった.また,各フラックスと環境因子との関係を整理したところ,干出面の放出フラックスは泥温との間に,海水面のフラックスはpHとの間にそれぞれ相関が確認でき,単位クロロフィルa当たりの吸収量は最大光合成量と光量子量によって近似できることを確認した.最後に,潮汐により変化する干出面と海水面の面積とフラックスの日変化を考慮して湿地全体のCO2収支を計算した結果,野鳥園北池は全ての調査日でCO2の吸収源であることが分かった.