2016 年 16 巻 1 号 p. 1_248-1_257
今後発生する可能性がある地震に対して、どの箇所で労働災害が発生し易いのかを概略的に事前把握することは、地震発生後の労働災害防止対策の重点化に有効と考えられる。本報では、東日本大震災や新潟県中越地震および新潟県中越沖地震の災害復旧工事中の労働災害分析から得られた建築工事業における「墜落・転落」災害と建物一部損壊被害との相関を用いて、地震による建物被害想定から建築工事業における「墜落・転落」による労働災害発生の蓋然性を把握する予測モデルの構築を行い、そのモデルを使用した試検討の結果を示す。