MEMS加速度センサを用いた社会基盤モニタリングが注目されている.加速度センサを用いたモニタリングによって得られる活荷重に対する変位応答は損傷箇所および損傷原因の特定を可能にし,橋梁の維持管理を効果的に行う上で重要である.ただし,加速度を数値積分することで変位を算出する方法は,加速度センサの測定誤差が変位応答算出結果に大きく影響を及ぼす上,境界条件の設定が困難である.本研究では,まず対象周波数帯およびその周波数帯における加速度センサのノイズレベルの把握を行った.次に,橋梁の自由振動に着目することによって,活荷重に対する変位応答を算出する手法を提案し,加速度センサの測定誤差が変位応答算出結果に及ぼす影響を数式的に明らかにした.そして,実橋梁において実証実験を行い,提案手法の有効性を示した.