2015 年 71 巻 2 号 p. I_785-I_793
鉄道橋では合成桁が多く使用されている.これらの合成桁の設計では,鋼桁と床版以外の高欄やスラブ軌道などの付属構造物については,安全側の観点から剛性を考慮しないのが一般的である.しかし,従来の計測結果からこれらの付属構造物についても剛性への寄与が認められていることが報告されている.これらの剛性の寄与は,終局耐力時には失われる可能性があるため,設計の合理化にはつながらないと考えられてきた.したがって,これまでの研究ではこの剛性寄与の効果について詳細に検討することは行われてこなかった.しかし,近年,維持管理における健全度評価に,桁剛性の計測結果を用いることが多く,これらを厳密に評価する必要が出てきている.そこで本研究では,鉄道用連続合成桁の測定結果をもとに,橋梁の実剛性をより厳密に算定する方法を検討した.