2015 年 71 巻 2 号 p. I_703-I_711
キャノピー流れの予測手法である抗力モデルは抗力係数CDの与え方に課題を抱える.前報(土木学会論文集B1 71(4) I_1051 2015)では,対象流れの幾何学的最小ユニットを対象として個々のキャノピー要素周りの流動を再現し,全ての要素に一様な基準速度を当てはめて抗力係数分布CD;globalを見積もった.本報では個々の要素への接近流速を考慮した抗力係数分布CD;localを求めた.樹木群模型を過ぎる開水路流れに抗力モデルを組み込んだ3次元LESを適用した結果,CD;local,CD;globalともに課題が認められ,流れの再現性は十分とは言えない.モデル精度の向上には,キャノピー要素の抵抗特性の非定常性の影響と,抗力モデルの数式表現自体を精査する必要が認識された.