農業農村工学会論文集
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研究論文
ため池破堤による想定被害額の簡易評価手法
水間 啓慈西村 伸一柴田 俊文珠玖 隆行
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2015 年 83 巻 1 号 p. 39-46

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抄録

地震や集中豪雨による農業用ため池の決壊は,下流域に大きな洪水を発生させ,農業水利施設の中で最も甚大な被害を生じさせる事象の一つである.このため,土地改良施設のリスクを評価しその機能を保全しようとする際に,ため池が決壊した場合の被害額を事前に想定することは非常に重要となる.一方,国が定める被害額算定手法は複雑であり,様々な資産データの収集・整理に多大な労力や時間を必要とする.そこで本研究では,ため池が決壊した場合の氾濫域における被害額を算定する簡易な手法を提案する.提案する手法は,対策を講ずる地区の選定時等に実際に適用できるよう容易に入手可能な資産データのみを用いることとした.3池の氾濫解析結果に提案する手法を適用し被害額を算定した.その結果,規定の方法と大差無く被害額を算定できたことから,提案する手法は有用との結論が得られた.

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© 2015 公益社団法人 農業農村工学会
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