日本看護研究学会雑誌
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一般訪問看護師が精神障害に関連して対応困難と感じる事例の実態と支援へのニーズ
渡邉 久美折山 早苗國方 弘子岡本 亜紀茅原 路代菅崎 仁美
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2009 年 32 巻 2 号 p. 2_85-2_92

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抄録

 訪問看護ステーションにおける家族員を含めた精神障害による対応困難事例の実態と,精神障害者との関わりにおける訪問看護師の支援ニーズを明らかにした。A県の訪問看護ステーション116施設を対象とし,48施設から有効回答を得た。対応困難事例の経験の有無を質問紙郵送法にて行い,さらに,協力の得られた6施設10名の訪問看護師から対応困難事例13事例の概略と支援ニーズについて面接を行った。調査時点での対応困難事例は,利用者では14施設(29.2%),家族員では12施設(25.0%)に報告があった。また,訪問看護師には【対象の捉えにくさによる不安】があり,【状況に応じた効果的対応方法を知ること】と【看護行為の保証者の要望】という支援ニーズがあった。具体的な対応法の検討や,訪問看護師の関わりを支持する場として,精神科専門職らによる相談窓口やネットワークの構築が一策であると考える。

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© 2009 一般社団法人 日本看護研究学会
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