要介護高齢者に対する有効な睡眠ケアを考える上での根拠となる知見を得るために,要介護高齢者の睡眠・覚醒パターンの実態を把握し,睡眠・覚醒パターンに影響を及ぼしている要因について,特にアクティビティケアへの参加頻度に着目して検討した。Y県にある介護療養型医療施設の入所高齢者76名(男性17名,女性59名)を対象とし,看護・介護職員の観察による59日間の睡眠日誌から得た睡眠データから算出した睡眠指標と睡眠に関与すると考えられる要因との関連について検討した。その結果,睡眠指標と年齢,Barthel Index得点,HDS-R得点,アクティビティケアへの参加頻度との間に関連がみられた。これら4項目を独立変数とした重回帰分析を行ったところ,アクティビティケアへの参加頻度が最も多くの睡眠指標に関与していた。以上より,アクティビティケアへの参加が睡眠・覚醒パターンに望ましい効果を与えることが示唆された。