セメント・コンクリート論文集
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コンクリートの試験・評価
長期暴露したコンクリートにおけるセメント水和物の化学分析と炭酸化機構に関する検討
高市 大輔須藤 俊幸斎藤 豪佐伯 竜彦
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2015 年 69 巻 1 号 p. 257-263

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抄録

本研究では長期供用されたコンクリート構造物におけるセメント水和物に着目した分析を実施した。また、コンクリートの分析を行う際に骨材の影響を排除するために、骨材とセメントペーストを分離する骨材分離の手法を確立し、本手法を用いて、大正時代に建設され長期間供用された鉄道橋コンクリートの分析を実施した。その結果、本鉄道橋のコンクリートにおいては水酸化カルシウム生成量が極端に少なく、主にC-S-Hの炭酸化が生じる結果となった。また表層部においては炭酸化及び日射等による乾燥の影響が生じ、炭酸カルシウムと脱水縮合した非晶質シリカの生成が確認され、ペースト部の比表面積の低下が生じる結果となった。

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© 一般社団法人セメント協会
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