日本看護研究学会雑誌
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看護師イメージの因子構造と学年進行による看護師イメージ得点の変化
江口 瞳寺澤 孝文
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2006 年 29 巻 4 号 p. 4_71-4_80

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抄録

  本研究は,看護学生の職業的アイデンティティの確立に向けてサポートする前提として看護師イメージに着目し,3年課程看護師養成所の入学時生と各学年終了時生を対象に看護師イメージ調査を実施し,さらに学年進行による影響を横断的・縦断的に分析した。先行研究では,学年進行により看護師イメージは低下するという報告と上昇するという報告が見られ,一貫した解釈が難しい。看護師イメージに関する63項目の評定値をもとに因子分析の結果4因子が抽出された。看護師イメージ得点は横断的分析によると,1年次入学時生と1年次終了時生に比較して2年次終了時生の得点が低値を示した。一方,縦断的分析では,1年生と2年生において学年の開始時よりも終了時が低下し,3年生では変化しないことが明らかとなった。入学以前から漠然と形成されていた看護師イメージが,学習の深まりとともに現実の自己像として反映し,得点に影響している可能性が示唆された。

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© 2006 一般社団法人 日本看護研究学会
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