医療情報学
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同日複数科受診患者と移動距離の比較によるフロアレイアウトの考察
鈴木 亮二酒巻 哲夫
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2014 年 34 巻 5 号 p. 233-242

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抄録

 高齢者や移動に不便を強いられる患者は,複数科受診や検査の移動距離が長いと負担が増すと考えられる.本研究は群馬大学医学部附属病院の外来受診患者における同日複数科受診患者の状況を把握して,複数科受診と検査に要する移動距離を比較し,フロアレイアウトについての考察を行うことを目的とした.2009年11月1日から2012年9月30日までの外来診療データを用いて,2診療科の受診患者数の多い20組を解析対象とした.2診療科間と検査室間の移動距離は活動量計を用いて算出した.内科と皮膚科,内科と外科の受診件数が多く15~64歳が半数を占めた.また,放射線科と泌尿器科,内科と泌尿器科は65歳以上の男性が多かった.整形外科と皮膚科の移動距離が最も長く,65歳以上が半数を占め,移動に不便のある患者が多いと推察された.複数科受診の組合せと件数は,病院の診療科の特徴によって異なると考えられた.

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© 2014 一般社団法人 日本医療情報学会
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