抄録
本稿の目的は,市民ボランティアによる侵略的外来種の防除活動への参加要因を明らかにすることである。琵琶湖周辺のオオバナミズキンバイ(Ludwigia grandiflora ssp. grandiflora)の防除活動に取り組むNPO 法人会員を対象に実施したアンケート調査結果の分析から,防除活動への参加には,一般的かつ抽象的な概念である生物多様性に関する知識ではなく,防除対象となる外来種に関する知識,外来種の完全防除を目標にしているか否か,日常的な環境保全活動を実施する程度,そして,移動手段として自動車を使わない人にとっての防除活動の実施場所までの移動距離が影響を及ぼすことが明らかになった。