本研究では,生活者の水使用行動が節水型に変容しそれが長期的に定着するための方法を検討した。そのために,状況的に類似した他者と自分自身の水使用量の比較という形で情報を継続的にフィードバックし、水使用量の変化を観察した。比較を行う他者として、生活レベルが同等である,家族構成が似ている,居住地域が同じである,という三条件を選定した。他者と比較の提示方法による水使用量の変化には差異がなく,また特に情報提供を行わなかった統制群との間にも差異がなかった。一方,アンケート調査より,他者との比較情報を提供された方が,水の使い方が変わったと感じる割合が高く,また水への関心が高まっていることが明らかになった。