本研究ではオープンデータを検索対象とした、汎用的な想定外検索システムを構築した。想定外検索とは、利用者が欲しいと思っていた情報だけでなく、利用者があまり気付かないような関連情報を提供する検索のことを指す。たとえば、利用者が「ルシアン・フロイド」という人名を検索した場合に、ルシアン・フロイド自身に関するリソースだけでなく、リソースを分析することにより「人名」という事象に関連する「生誕地」、「最終学歴」と事象を導き出し、それらの事象に関してリソースを検索することにより、ルシアン・フロイドと生誕地が同じ画家の「ジョージ・クロス」やルシアン・フロイドと同じ学校を卒業した画家の「アレキサンダー・マックイーン」に関するリソースが提供されるような検索である。システムの試行結果から、実際に公開されているオープンデータを用いて有用な情報の関連性を可視化できたことを確認した。