2016 年 15 巻 2 号 p. 123-128
セントポーリア‘Tomorrow’s Snowy Night’の親個体および組織培養変異体として出現した黄色変異体の花弁から黄色色素を単離し,化学分析およびスペクトル分析によりchalcononaringenin 2´,4´-diglucosideであることを明らかにした.黄色変異体では主に蓄積部位の拡大により花弁全体でのchalcononaringenin 2´,4´-diglucoside蓄積量が増加していた.また,chalcononaringenin 2´,4´-diglucosideはセントポーリアの花糸においては花弁での蓄積とは関係なく蓄積しており,この合成能力は黄色品種以外にも広く存在すると考えられた.これらの情報はセントポーリアにおけるchalcononaringenin 2´,4´-diglucoside合成の遺伝子機構の解明に役立つだろう.