Niをペロブスカイト型酸化物担体に担持した触媒を用いて、トルエン・メチルシクロヘキサン・ヘプタンなどの水蒸気改質による水素製造を比較した。また、それらの吸着挙動についても詳細に検討した。その結果、格子内に異価カチオンを導入した場合は、比較的低温で格子酸素が酸化還元でき、トルエンの水蒸気改質が酸化還元を介して選択的に進行した。一方で、異価カチオンを導入していない場合は酸化還元が起こりにくく、炭素析出が起こりやすいことがわかった。その際の吸着のしやすさの点では、環化できる化合物は容易に環化して吸着したが、C5以下あるいは2,2−DMBのような環化できない化合物の場合は吸着・反応が起こりにくいことがわかった。