日本東洋医学雑誌
Online ISSN : 1882-756X
Print ISSN : 0287-4857
ISSN-L : 0287-4857
臨床報告
蜂刺症とムカデ咬症に対して黄連解毒湯と茵五苓散を中心とした漢方治療を行った5例
吉永 亮前田 ひろみ土倉 潤一郎井上 博喜矢野 博美犬塚 央木村 豪雄山方 勇次田原 英一
著者情報
ジャーナル フリー

2016 年 67 巻 4 号 p. 383-389

詳細
抄録

蜂刺症とムカデ咬症に対して,受傷直後から黄連解毒湯エキスと茵蔯五苓散エキスを中心とした漢方治療を併用し,翌日には著明に改善した5例を報告する。症例1は70歳男性,30分前に左手背をスズメバチに刺されて受診した。症例2は43歳男性,20分前に左顔面をスズメバチに刺され受診した。症例3は55歳男性,10分前に左下腿をスズメバチに刺され受診した。症例4は39歳男性,60分前に右大腿をスズメバチに刺され受診した。症例5は35歳男性,20分前に右第1趾をムカデに咬まれて受診した。5例とも受診後直ちに漢方治療を開始し,以後,数時間おきに間隔を詰めて治療を継続したところ,翌日には疼痛と皮膚の紅斑と腫脹が改善した。蜂刺症,ムカデ咬症に対して漢方治療を行うことで速やかな治癒に貢献できる。

引用文献 (15)
著者関連情報
被引用文献 (2)
© 2016 一般社団法人 日本東洋医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top