2015 年 46 巻 5 号 p. 429-430
カナダは広大な国土ゆえにへき地や遠隔地が多い. このような地域を支える医師の育成がNorthern Ontario School of Medicine (NOSM) で2005年から開始された. 4年間の医学部カリキュラムのうち1, 2年次には4週間のへき地のコミュニティー滞在実習が2回実施され, 3年次は8ヶ月間の地域の医療機関に滞在しての臨床実習を行う. このように学外での実習が大幅に取り入れられている. また, 入試でも面接などで地域指向性の高い者を優先して選抜している. その結果, 卒業生の約70%が北部オンタリオに残り勤務をしている. 教育体制の整備により地域の医療機関での学びと人材育成の可能性を感じた.