2017 年 54 巻 7 号 p. 536-545
【目的】周術期消化器がん患者に生じる倦怠感の変化とその関連要因を検討することを目的とした.
【方法】対象は消化器がん患者46例(男性25例,女性21例,年齢62.0±11.9歳)である.方法は倦怠感を評価するCFSの他にHAD,IKEF,6MWDを手術前・手術後・退院後で測定し,時期ごとでCFSと各評価の相関を調査した.
【結果】CFSは手術前が高値であり,経過を追うごとに減弱した.すべての時期でCFSは不安・うつに有意な正の相関,加えて手術前と退院後で6MWDとIKEFに有意な負の相関を認めた.
【結論】周術期消化器がん患者は手術前・手術後・退院後のすべての時期で倦怠感と不安・うつが関連し,さらに手術前と退院後で運動耐容能や膝伸展筋力が倦怠感に関係することが考えられた.手術前や退院後で運動機能に対する介入が倦怠感減弱に重要である可能性が示唆された.