2013 年 53 巻 8 号 p. 618-623
症例は59歳女性である.雷鳴頭痛で発症し,画像上皮質性くも膜下出血(cSAH)を呈し,脳血管造影でreversible cerebral vasoconstriction syndrome(RCVS)と診断した.脳血管収縮は当初MRAでは検出できず,後にWillis動脈輪周囲に収縮像が出現し,頭痛と血管収縮の出現には時間差があった.臨床症状も頭部CT/MRI/MRA所見も可逆性で転帰は良好に思われたが,脳血流シンチグラフィー(SEPCT)eZIS画像でcSAHをきたした部位の血流低下は15ヵ月後も回復せず非可逆的な可能性が示唆された.SEPCTはRCVSの障害部位を検出する上で有効と考えられた.